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絶滅危惧種特集


美しい海や豊かな自然が残る沖縄。しかし、近年、環境破壊や外来種の移入などの影響によって、絶滅の危機にさらされている種が増えています。

【絶滅危惧種】
絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)とは、開発行為、乱獲、密漁、異常気象、環境破壊、外来種の移入、生態系の破壊等により自然界(野生)での生存が危険視され、絶滅の恐れがある野生生物の種のことを言います。近年このように絶滅の危機にさらされていたり、絶滅したりする種が増え、大きな問題となってきています。
そんな絶滅危惧種の中から、沖縄に生息する、『イリオモテヤマネコ』、『ノグチゲラ』、『ヤンバルクイナ』についてご紹介してみたいと思います



【イリオモテヤマネコ:国指定特別天然記念物】  ネコ科 イリオモテヤマネコ属
形態
胴長約50〜60センチメートル。
尾長約23〜24センチメートル。
体重約3〜5キログラム。
大きさはイエネコより少し大きい程度です。体は淡褐色に暗褐色の斑紋が散在しています。頭は細長く、鼻頭が大きく、後頭部から額、眼の周りに白と黒の縞が走っています。耳の形が丸いことが特徴で、顔つきは虎などに近いです。
耳の背面には『虎耳状斑』と呼ばれる、黒で縁取られた白い斑紋があります。
四肢や尾はイエネコより太めです。

生態
八重山の西表島にしか生息していません。
クマネズミなどの動物からトカゲ、コオロギなどの昆虫まで、餌とする動物が多様である事が特徴です。12〜3月頃が繁殖期で、妊娠期間は65日前後、5月前後が出産期と推測されています。

1977年 国の特別天然記念物として指定される。
イリオモテヤマネコ




【ノグチゲラ:国指定特別天然記念物】  キツツキ科 ノグチゲラ属
形態
約30センチメートル。
全体的に黒褐色をしており、翼を広げると白斑が見られます。背、腹、腰の部分は赤味がかっています。雄の頭上は赤色、雌の頭上は黒色となっています。幼鳥の頭上は雌雄共に赤色です。
くちばしが長太く、錐のようになっています。

生態
沖縄本島北部の『やんばるの森』にしか生息していないキツツキの仲間です。
原生林で生活しており、開けた上空を飛ぶことはほとんどありません。樹木の幹や枝につく昆虫、枯木の中にに潜んでいる昆虫を捕らえて食べます。他には地面いる昆虫や、キイチゴなどの植物も食料としています。
3月〜6月が繁殖期です。腐れかけの木に深さ70cmほどの深さの穴を掘り、その中に卵を産みます。1回の産卵で1〜2個の卵を産みます。

沖縄県の県鳥に指定されています。
1977年 国の特別天然記念物として指定される。
ノグチゲラ




【ヤンバルクイナ:国指定特別天然記念物】  ツル科 クイナ目
形態
約30センチメートル。
くちばしは太く、赤色をしています。
顔と喉は黒色で、赤い眼の後ろに白い帯状の模様があります。腹の部分は黒地に白の横縞模様です。赤色で太くて長い脚をしています。
翼が退化しており、ほとんど飛ぶことはありません。

生態
沖縄本島北部の『やんばるの森』にしか生息していません。 森の落ち葉の中にいる昆虫や、甲殻類を食料としています。
5〜7月頃が繁殖期で、1回の産卵で4〜5個の卵を産みます。

※ 近年、車によるヤンバルクイナの事故が増加しています。山原を車で運転する際は、ヤンバルクイナに十分注意してください。

1982年 国の特別天然記念物として指定される。
ヤンバルクイナ




上記以外の絶滅が危惧される天然記念物
上記で紹介した以外にも、 絶滅が危惧されている動物は数多くいます。



【リュウキュウヤマガメ:国指定天然記念物】
リュウキュウヤマガメ 甲長11〜13cm。雌が雄より大きい。ギザギザの甲羅が特徴的で、四肢は大型の鱗で覆われている。背甲と腹甲の継ぎ目に腋下甲板がある。
【イシカワガエル:国指定天然記念物】
イシカワガエル 体の色や形が変わっており、日本で最も美しいカエルの一つに数えられる。大きさは10cm程度でメスがオスより大きくなる。背中と足が緑で、多数の斑紋がある。渓流のある深い森林に生息する。
【カラスバト:国指定天然記念物】
カラスバト 全長約40cm、全身ベースは黒色だが、頭に紫色、背中に緑色の光沢がある。八重山に、ヨナクニカラスバトという類似種が生息している。
【セマルハコガメ:国指定天然記念物】
セマルハコガメ 甲長11〜18cmで背甲は黒から褐色で、ドーム上に丸く盛り上がっている。側面に黄色からオレンジ色の楕円と三角形の斑点がある。腹側の甲羅は真ん中を蝶番にして動く。
【ダイトウオオコウモリ:国指定天然記念物】
体長20cm。首輪をしているような美しい金色や白色の帯がある。超音波を発さず有視界飛行のため、目が大きめで耳が小型。英名でFlying Fox(空飛ぶキツネ)と言われる通りキツネのような可愛らしい風貌。
【ヨナグニサン:国指定天然記念物】
世界最大の蛾で、全翅長が180mm-240mmある。日本では八重山諸島にのみ生息。与那国に多数生息し、与那国全域が保護地区となっている。
【ケラマジカ:国指定天然記念物】
本土のシカに比べ、頭やつのがリ異彩。色は黒く、雌や子供の背中に黒いスジがある。屋嘉比、慶留間、阿嘉の三頭に生息している。屋嘉比と慶留間のケラマジカが天然記念物である。
【ケナガネズミ:国指定天然記念物】
日本最大の野生ネズミ。頭から尾の付け根までが約20cmで尾を含めると50〜60cmにもなる。木登りが大変上手で、尾でバランスを取りながら巧みに移動する。
【カンムリワシ:国指定特別天然記念物】
西表島と石垣島に生息する猛禽類の鳥。成鳥になると額から後頭部にかけて羽が長くなっており、羽冠をなしておりこの名が付けられた。
【リュウキュウキンバト:国指定天然記念物】
金緑色の美しい羽のハト。石垣島、西表島、与那国島に生息。木の高さすれすれの位置を高スピードで一直線に飛ぶという特徴的な飛び方をする。
【ヤンバルテナガコガネ:国指定天然記念物】
日本最大のコガネムシ。6cmくらいの大きさで、前足の2本が長い。幼虫期を4年老木のうろ内で過ごす。沖縄本島北部の山原にしか生息していない。
【キシノウエトカゲ:国指定天然記念物】
宮古島、八重山諸島だけに分布する。全長約40cmにもなる日本最大のトカゲ。雄は喉から頬にかけて赤く色付いている。伊良部と下地に放たれたイタチにより絶滅が危惧されている。
【アカヒゲ:国指定天然記念物】
体長は約15cm、オスメスとも腹が灰色で背中が橙色をしている。オスだけは額から胸までが黒い。沖縄本島、慶良間諸島、石垣島、西表島、与那国島に生息する。
【オキナワトゲネズミ:国指定天然記念物】
沖縄本島北部、渡嘉敷島、姫島の三頭に分布する。甲長は11〜13cm。陸棲のカメで、ギザギザの甲羅が特徴。山林の開発で、側溝に落ち死んでいるのが問題化している。
【イボイモリ:国指定天然記念物】
全長16cmくらいでトカゲに似ている。前足の指が4本で後ろ足の指が5本である。幼生は水中で過ごすが成長すると陸に上がり、ほとんど泳げなくなる。
 

日々、沖縄の自然を愛し、守り育てようと多くの学者や研究者が活動を行っており、今回、紹介した以外にも、絶滅の危機に瀕している野生動物はたくさんいます。みなさんも一度、そういった絶滅の恐れのある動物たちにも目を向けてみてください。

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